
テーマは「図書館利用教育」かぁ。なんだか難しそうだなぁ

「教育」という響きがとっつきにくい印象を与えるけど、つまり「図書館のもっと便利な使い方の紹介」って置き換えて考えるといいよ。
☆合格レポートはあくまでも参考掲載です。丸写しや類似した内容のレポートは不正とみなされるので、絶対にやめましょう!
情報サービス論 レポート設題
図書館利用教育の実施のために必要な環境整備にはどのようなものがあるか、それぞれについて簡潔に述べるとともに、図書館利用教育をさらに浸透させるためには、どのような工夫が必要か、最近の動向も踏まえ、貴方自身の考え方を含め論じて下さい。
合格レポート
1 はじめに
図書館利用教育の実施のために必要な環境整備及び利用教育浸透のための工夫について、私見を交え論じる。
2 利用教育実施に必要な環境整備
利用教育を実施するために最も大切なことは、組織的に行うことである。
実施を個人の意志や能力に委ねている場合、その者が退職したり異動したりした際に、サービスが停止する懸念がある。
例えば自治体直営の館の場合、職員は3年から5年周期で異動となり、新たな職員は畑違いの部署から配置されることが多々ある。
そういったケースでは、たとえ個人間で利用教育に係る引継ぎがなされていたとしても、新規職員は知識不足の状況で、組織の業務として明確でないものまで手を出せないのが現実である。
このような状況を生まないために、利用教育を事務分掌に明記し、人が入れ替わっても変化しない体制を組織的に整えることが必要である。
また、入れ替わりで生じる一時的なサービス低下を防ぐために、異動時期の異なる複数の職員を担当とすることも組織で検討すべきである。
このような異動や複数職員での実施が見込まれる際に必要となるのが、標準化されたマニュアルである。
最低限伝えなければならない共通事項をマニュアル化することで、経験の浅い職員の負担が軽減されるほか、利用者も利用の要点を押さえることができる。
利用教育の方法は時代とともに変化していくことから、定期的なマニュアルの見直しも必須であろう。併せて、マニュアルに基づくロールプレイング等の職員研修も、個人差の解消のために重要である。
利用教育の実施に当たっては、PR費等の予算措置も忘れてはならない。無論、予算は有限であり、館内の他の経費は勿論、時には館外の他部署の予算も併せて調整がなされ、配分される。
必要予算を確実に確保するためには、財務を担う部門への合理的な説明が必須のため、ここでもやはり個人ではなく組織で対応することが望ましい。
予算が確保できるならば、可能な限りレファレンスツールを整備することが必要である。利用教育を実施してもツールが揃っていない場合は、十分な効果が期待できない。
しかしながら、既述のとおり予算は有限のため、まずは利用教育を展開しつつ、明らかとなった不足資料を順に整備していくことが望ましい。
不足資料については、アンケート等の統計から利用者の特性を踏まえ把握することも有効である。
また、自館以外の近隣の館の蔵書情報を利用者に示唆することも有益な利用教育となる。
利用教育に際し映像メディアの活用も効果的である。予算の問題で映像を作成できない場合でも、日本図書館協会刊行のDVDを活用できる。
近年では、You Tube等のオンライン動画共有サービスが社会に定着し幅広く利用されていることから、図書館においてもこのようなオンラインサービスの活用に向けた環境整備が求められる。
大学や学校で行われる利用教育では、教員との連携も重要である。
教員と情報交換を行い、効果的な利用教育について共通認識を持つことで、画一的でなく、学年や学科ごとに異なるであろう利用経験に応じた丁寧な指導を行うことができる。
ひいては、館、教員、学生・生徒の三者が揃って高い満足度を得られるだろう。
3 利用教育浸透のための工夫
現代社会は情報化社会と呼ばれ、大量の情報が氾濫している状況にある。
このような時代を生き抜くためには、正確な情報入手のための文献調査法の習得が欠かせないが、学校教育ではほとんど教えられていない。
そこで、公共図書館がその役割を担い、社会教育として実践していく必要がある。
具体的には、調査法に関係する講座をテーマ別に開催する方法などが挙げられる。
こういった講座の実施により、紹介したレファレンスツールを使う利用者の増が想定されるため、ツールの一括整備が難しい場合には、近隣の館と協力し相互に開催する方法も考えられる。
大学図書館においても、学生向けの図書館ツアーや文献調査法セミナーのみならず、一般社会人や地域住民を対象としたセミナー等の実施が、生涯学習を支える観点から重要である。
高度情報化社会を背景に、地域における知の宝庫である大学図書館による利用教育の開放は、今後ますますニーズが高まっていくものと考える。
ここまで館主体の講座等の重要性を述べてきたが、現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、多数の人が集まる講座等の開催が難しい状況にある。
そのような中、例えば○○大学附属図書館のように学生向けではあるが、ウェブ会議ツールを活用したオンラインセミナーを実施している館がある。
今後はこのようなICTを活用した利用教育が、資料のデジタル化とともに広まっていくものと思われる。
4 おわりに
近年、SNSの定着により、誰もが情報を容易に発信できる時代となった。一方でそれは、確かな情報を得ることがより難しくなった時代ともいえる。
情報が溢れ続ける中で、図書館利用教育は今後さらに重要性を増していくことだろう。
図書館員には、その重要性をしっかりと認識しながら、時勢を捉え利用者のニーズに即した教育を実践していくことが求められている。
(※ブログ掲載に当たり、字下げをなくし改行を増やしています。)

参考文献
・山崎 久道 他編著『情報サービス論』樹村房 2019
・毛利 和弘著『文献調査法 第8版』日本図書館協会 2019
講評(抄)
学習・理解はできています。設題には2つの柱がありますが、後者の柱が弱めになっているのが残念です。前者の柱に「簡潔に述べるとともに…」とあるように、後者の方にもっと重きを置くとさらによくなったと思います。
合格レポート作成のポイント
情報サービス論の設題の2つの柱は、1本目が「利用教育実施のための環境整備」で、2本目が「利用教育浸透のための工夫」です。
一応1回で合格できましたが、先生ご指摘のとおり、僕のレポートは2本目の柱が分量的にも少なく、薄い内容になっちゃってます💧
情報サービス論の設題は、テキストの記述が充実しているので、それをまとめるだけで割と書けちゃいます。
「情報サービス演習のメディア授業申込期限が迫っている」という方は、参考文献を用意するなどは省き、ひとまずテキストのまとめに専念するのもよいでしょう。
(↑あくまでもメディア授業受講の機会を逃さないためですよ!時間のある方は参考文献も目を通しましょう。)
僕のレポートの字数はMAXの2,100字でした。
なので「環境整備」の部分をもっと削り、「工夫」の所で添削者かつ教科書の著者でもある毛利先生の『文献調査法』の具体的な内容に触れてもよかったかなと思います。
一応、手元にあったんですけどね💧
『文献調査法』は日常生活でも使える内容だったので、改めて読んでみたいと思います。
情報サービス論のレポートはめいっぱい字数を使うことになりますので、クレドへの入力の際は短時間入力方法をぜひ活用しましょう↓

近隣の公立図書館や大学図書館で実際に行われている利用教育も調べてみよう!「図書館報」などからも確認できるよ!

ぼくもウサギ界隈を調べてみようっと。
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