時事ネタがレポート作成で役に立つということをレポートの書き方の記事で紹介しました。
では、図書館の様々な最新情報を入手するにはどうしたらいいでしょうか。僕が情報を入手するためにやったこと、現在もやっていることを紹介します。
当たり前ですが、今の時代は情報を探す場合、ほとんどの人がまずインターネットを使うと思います。
どのようなサイトを使えば効率的に図書館情報を得ることができるのか、具体的に紹介していきます。
カレントアウェアネス・ポータルは図書館界、図書館情報学に関する最新の情報が掲載される国立国会図書館のポータルサイトです。
毎日、日本の図書館のニュースだけでなく、海外の図書館のニュースも幅広く収集し掲載しています。
国立国会図書館が運営しているだけあってとても読み応えのあるサイトです。
サイトを開くと、トップページ上段に『最新ニュース 「カレントアウェアネス-R」(CA-R)』というコンテンツがあり、最新のニュースのタイトルがずらっと出てきます。
タイトルをクリックすると、それぞれ簡潔にまとめられた記事を読むことができます。
例えば2022年3月17日付けの記事には、次のようなものがあります。
国立国会図書館(NDL)、約1,500 点の著作権フリー画像を収録した電子展示会「NDLイメージバンク」を公開: NDL所蔵資料から、選りすぐりのビジュアル資料を掲載
出典:カレントアウェアネス・ポータル(https://current.ndl.go.jp/node/45810)
国立国会図書館(NDL)、約1,500 点Internet Archive(IA)、米国政府文書のマイクロフィッシュのデジタル化プロジェクトを実施
出典:カレントアウェアネス・ポータル(https://current.ndl.go.jp/node/45808)
最新の記事の下部には「参考」や「関連」として過去の類似記事や関連記事のURLも掲載されていて、とても使いやすい構成になっています。
ただ、あまりにも多くの情報が掲載されているため、自分にとって有益な情報、レポート等で使える情報をしっかりと見極めて活用する必要があるでしょう。
公益社団法人日本図書館協会のホームページを開くと、トップページ上段に「お知らせ」というコンテンツが掲載されています。
「お知らせ」は、上のカレントアウェアネス・ポータルのように毎日更新されているわけではないのですが、それでも随時更新され有用な情報が掲載されています。
「お知らせ」にあるタイトルをクリックすることで各記事を読むことができます。
例えば2022年3月16日付けで、このような記事が掲載されています。
ウクライナに関する日本図書館協会声明 Statement on Ukraine
出典:日本図書館協会(http://www.jla.or.jp/demand/tabid/78/Default.aspx?itemid=6261)
ウクライナの人々や図書館関係者に向けたメッセージと、図書館協会会員の図書館及び図書館員への支援の呼びかけです。
また、2022年1月22日付けの記事には、このようなものがあります。
会計年度任用職員に関する提言
出典:日本図書館協会(http://www.jla.or.jp/demand/tabid/78/Default.aspx?itemid=6172)
厳しい条件で働く図書館の会計年度任用職員の制度改善を求める提言です。
これらの記事から分かるように、日本図書館協会のホームページでは、日本の図書館全体の方向性を知ることができます。
このような情報は、資格取得の勉強においても重要(レポート等で活用できる。)ですし、実際に司書になってからも把握しておくべきことでしょう。こちらは毎日じゃなくても、定期的にチェックすることをおすすめします。
図書館制度・経営論で学ぶとおり、図書館に関係する法令は図書館法をはじめ教育基本法、国立国会図書館法、学校図書館法、著作権法、個人情報保護法などたくさんあります。
そういった法令の改正に関する情報は、各法令を所管する官庁のホームページで知ることができます。
僕は図書館法等を所管する文部科学省のホームページを見ることが多いです。
例えば、2022年3月18日時点の国会提出法案のページをみると、「博物館法の一部を改正する法律案」が国会に提出されていることを知ることができます。
この法案は、博物館においてデジタル・アーカイブを事業として推進していくことを明確化する重要なものです。今後、図書館にも影響が波及してくると思います。
このような制度の根幹にも関わるような法改正が行われる前には、通常有識者の意見を聴くための審議会や委員会が開かれます。
そのような審議会等の議事録や配布資料もホームページに公表されるので、その資料を確認することで改正内容についてより詳しく知ることができます。
官庁のホームページはなかなか馴染みがないものかもしれませんが、日頃から訪問するようにして情報収集に努めましょう。
僕はレポート作成の際、BIGLOBEニュース「図書館の話題・最新情報」もちょいちょい確認していました。
2022年3月18日時点、グーグルを使って「図書館」「最新情報」というキーワードで検索すると、このサイトが最上位に出てきます。
ただ、有用な記事も多い一方、あまり司書資格学習の役に立たない記事も数多く出てくるので注意が必要です。
(例えば、新たに公開されたアクション映画の舞台が図書館であるなど…いや観たいんですけどねw)
そういう意味ではSNS(ツイッター)も同じです。
有用な情報も多いですが、それ以外の情報もたくさんありますので、図書館関係でアカウントを分けるなど使い方を工夫することをおすすめします。
新聞は、図書館の情報に限ってというわけではないですが、新しい情報を得るための基本となる媒体です。
紙の新聞は読まず、インターネットに掲載される各新聞社の記事を読むという方法もあるとは思いますが、全文を読むためには結局有料会員に登録しなければならないというケースが多いです。
僕は、自宅で地方紙を1紙契約しています。
以前は全国紙をとっていたのですが、ある時あまりにも自分が地域のことを知らなすぎると感じる機会があり、地方紙に変更しました。
全国紙であれば、上の「文部科学省のホームページ」の項目で書いたような大きな法改正の内容や、地方公共団体全体に共通する制度が記事になることが多いでしょう。
(例えば「社会教育施設における指定管理制度の是非」や「会計年度任用職員制度の課題」など)
地方紙であれば、そういった話題もとりあげますが、それとは別に身近な図書館のニュースが掲載されることもあります。
例えば、「雑誌スポンサーの募集」や「自動貸出機の設置」など、全国紙には掲載されないような個々の図書館のニュースが掲載されることもあるでしょう。
このような個々の図書館の情報を頭に入れておくことで、図書館概論や図書館サービス概論のレポートを作成する際に具体例として書くことが可能となります。
ぜひ新聞も目を通してみてくださいね!
全国紙も地方紙も両方とればいいんじゃないの?
いや、それは予算的にちょっと…(汗)
最新情報を使う際、その情報が2次情報だった場合は、ソースをちゃんと確認しなければならないということに注意しましょう。
これはレポートや試験に限らず、ブログでも同じことがいえます。
例えば「コロナ禍で全国に電子図書館が急増中!その課題は?」という記事を書いた際、僕はとある大手新聞社の記事を参考資料として読みました。
その記事には、電子出版政策・流通協議会が調査したという全国の電子図書館の数も載っていましたが、僕はその数字をそのまま使うのではなく、その協議会のサイトを訪問し、数値をチェックしました。
なぜわざわざそのようなことをしたのか?理由は2点あります。
①2次情報として出てきた数値が間違っている可能性があるから
たとえ大手新聞社の記事だったとしても、引用しているデータに誤りがないとは言い切れません。
そして、誤っているデータを確認もせず使った場合、損するのはその大手新聞社でなく自分です。
(誤った情報は、ブログであれば信頼度の低下につながるし、レポート・試験なら不合格の理由となります。)
②1次情報を調べることで、それとは別の有用な情報が見つかる可能性があるから
2次情報が掲載された記事の目的と、僕が書く記事の目的は必ずしも一致しません。情報元を調べることで、更に自分の記事の目的にあった情報を発見できる可能性があります。
実際僕の場合も、電子出版政策・流通協議会のサイトにアクセスしたことで2020年1月時点の電子図書館の数も知ることができ、2022年1月時点の数値との比較ができました。
このようにちゃんとソースを確認することで誤りも防げますし、なんならよりよいレポート等に仕上がる可能性も出てきます。
みなさんも2次情報を活用する際は、必ず元のデータをチェックするようにしましょうね。とても大事ですよ~!
毎日意識して情報収集していれば自然と知識が増えていくよ!継続は力なり!