児童サービス論の科目終末試験は、テキストを読み込んでまとめるだけでは解答が難しく、事前に対策をしっかり行っておく必要があります。
僕が児童サービス論の試験対策として作成した各設問の解答例を参考掲載します。
☆あくまでも参考掲載です。丸写しや類似した内容の答案は不正とみなされるので、絶対にやめましょう!
設問例
児童書の配架(排架)について注意すべき点を述べた上で、あなたが児童書の新刊本を配架(排架)する担当者と仮定した場合、具体的にどのような工夫を行うか、その狙いと効果とともに説明せよ
解答例
児童書と一言でいっても、対象者の年齢は赤ちゃんから12歳頃までと幅広く、その種類は多岐にわたる。
図書館において児童書を排架するに当たっては、資料の特性や大きさなどに応じて専用の書架を用意することが必要である。
専用の書架の例としては、比較的小さなものが多い赤ちゃん絵本のための書架や、紙芝居架、読み聞かせ用の大型絵本の書架などが挙げられる。
また、各資料の主な利用者の年齢層に配慮した上で、展示と収納の両面から考えて排架することが求められる。
特に絵本は、子どもに絵本の表紙を見せ絵本の魅力をアピールするという展示の観点も十分考慮して、一部平置きにするなどの検討が必要である。
図書館によっては、絵本を物語、知識絵本、郷土絵本など細分化して排架する事例もみられる。
このように、児童書が豊富な図書館においては形態的な種類での区分だけでなく、内容的な種類での区分を併用することも、アクセシビリティを高める効果的な方法といえよう。
いずれにしろ、子どもの利用しやすさを最優先として排架の方法を熟慮すべきである。
私が仮に児童書の新刊本を排架する担当者である場合、例えば絵本、紙芝居、漫画などはそれぞれまとめて排架し、必要なコレクションに容易にアクセスできるようにする。
また、幼年文学や低学年向きの図書は、同じ児童書の書架のなかでも低い位置に別置し、身長が低くても目に入りやすく、手も届くようにする。
排架を低くすることで、子どもは大人に頼ることなく自力で難なく読みたい本を見つけ出すことが可能となる。
そのような成功体験を積み重ねることによって、子どもは自ら率先して行動しようとする意欲が高まり、主体性の向上も期待できる。
排架そのものの工夫と合わせて、児童コーナーの場所を示す書架マップやサインも作成する。
その際、極力漢字を減らしたり、マップ内で目印を絵で表したりするなど子どもが理解しやすいものを作成し、掲示場所もより子どもの目に入る位置となるよう配慮する。
館内OPACも一般用とは別に児童用を設置し、設置台の高さも子どもにとってちょうどよい高さにする。
また、OPACの利用方法が分からない子どもにはこちらから優しく声かけし、丁寧な指導を心がける。
このような排架及びそれに関連する取組を通して、利用する子どもが図書館を居心地の良い場所と感じてくれれば、生涯にわたる図書館利用及び読書習慣の定着につながっていくだろう。
ポイント
児童書の配架(排架)に関する設題です。
「はいか」には2通り漢字がありますが、僕は「排架」に統一して解答例を作りました。
合否に関わることではないと思いますが、一応ひとつの文章の中では統一した方が望ましいでしょう。(「子ども」と「子供」も。)
解答例はこちらの本を参考にしています👇
解答例は“自分が子どもだったらどんな風に排架されていると嬉しいかな”ということを考えながら作成しました。
“知らない大人に声をかけづらい”という子どもの気持ちを念頭に置き、以下に子どもだけで自己完結できるかという視点が重要です。
あと、排架そのものの工夫だけでは中身が薄く感じたので、排架に密接に関連する工夫として児童用OPACなどにも触れています。

子どもたちに利用してもらうために、大人以上に細やかな配慮が必要なんだね

ウサギの子ども向けに暗くて狭い穴にも排架してほしいな!
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