乳幼児サービスとは、公共図書館で提供される児童サービスの中で、とりわけ0歳から就学時までの乳児・幼児及びその保護者を対象とするものです。
乳幼児サービスの目的は早期読書教育ではなく、子育て支援の一環とされています。
日本では、イギリスのブックスタート活動の影響を受け、公共図書館におけるブックスタートが広まっていきました。
乳幼児サービスを実施するに当たっては、以下の4点に留意する必要があります。
1 児童スペースにおける乳幼児コーナーの設置
乳幼児とその保護者にとって、図書館が居心地のよい場所であることが重要です。
児童スペースには安全性に配慮された乳幼児コーナーを設け、乳幼児が同伴した家族と一緒に赤ちゃん絵本を楽しめるような机や椅子を用意することが求められます。
また、サイズが小さい赤ちゃん絵本専用の書架を配置することも必要です。
2 乳幼児にふさわしい資料の選択
乳幼児にふさわしい資料として代表的なものが赤ちゃん絵本です。
赤ちゃん絵本のテーマは、身の回りの事物に関する知識やしつけに関するものが多く、読み聞かせなどにより乳幼児は食事、排泄、入浴、遊びなどの基本的な生活習慣を身に付けることができます。
また、布の絵本も乳幼児に適した資料です。
ボタンやファスナー、マジックテープなどが使われ、これらを留めたり、はずしたり、くっつけたりして遊ぶことで乳幼児の成長発育を促すことができます。
3 乳幼児向けのおはなし会の開催
3歳未満の子どもを対象としておはなし会を開催することは、言語獲得を促す上で大きな意義があります。
この時期の子どもは、まだお話を理解することはできないが、リズムには敏感であり、赤ちゃん絵本に多く使われる擬音語や擬態語と普段目にするものを結びつけ、言葉を覚えていきます。
また、このような機会を通して、字の読めない乳児の頃から読書の土壌となる想像力を養うことができます。
絵本で見たものを実際に目にした際に、想像力を発揮して「同じものである」ということを認知できるようになります。
4 保護者への充実したサービス
乳幼児は保護者同伴で公共図書館を利用します。
公共図書館では、乳幼児サービスの意義、目的、内容について保護者に十分理解してもらうことが重要です。
保護者は、乳幼児とともに絵本やおはなし会などを楽しむことに加えて、子育てで生じた問題を子育て支援コーナーなどの資料を参考に解決することができます。
また、公共図書館を子育て中の保護者動詞の交流の場として活用してもらうことも考えられます。
このように乳幼児サービスの実施の際は、育児支援の観点から保護者に対する充実したサービスも求められます。
まとめ
「乳幼児サービス」がどんなものか、考えてみました。
図書館職員は、乳幼児サービスの対象が乳幼児だけでなく、保護者も含まれることも意識する必要があります。
つまり、公共図書館は教育の役割だけでなく、児童福祉の役割も担っているんですよね~。
近年、核家族化や地域のつながりの希薄化が進み、子育てに孤立感を感じる親が増えていると言われています。
一方で、2023年度から国において「こども家庭庁」が設置されるなど、「子どもを社会で育てる」という気運も高まりつつあります。
そのような中で、社会教育施設である図書館が子育て支援を積極的に展開していることは、非常に大きな意義があると感じます。
図書館って、勉強を始める前に想像していた以上に重要な役割を担っている施設であり、そこで働く司書のみなさんは本当に様々なことに携わってるんですね~。
ただただ敬服するばかりです!
図書館の育児支援の取組がもっと知れわたるといいな!
子どもは社会の宝!
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