児童サービス論の科目終末試験は、テキストを読み込んでまとめるだけでは解答が難しく、事前に対策をしっかり行っておく必要があります。
僕が児童サービス論の試験対策として作成した各設問の解答例を参考掲載します。
☆あくまでも参考掲載です。丸写しや類似した内容の答案は不正とみなされるので、絶対にやめましょう!
設問例1(読み聞かせとはどんな活動か)
読み聞かせとはどのような活動か説明した上で、実際に読み聞かせを行う際の配慮について述べよ。
解答例1
読み聞かせとは、声に出して本を子どもに読んであげる活動である。
読み聞かせは、子どもに本の面白さを体験してもらい、本への興味を育み、読書をする素地をつくることのできる効果的な方法である。
また、読み聞かせには、文学を耳で楽しむこと、その楽しみを人と分かちあう喜びなど一人で黙々と楽しむ読書とは違った魅力がある。
さらに、語り手も子どもたちの反応を通して楽しみや充実感が得られるため、大変有意義な活動といえる。
読み聞かせを行うに当たっては、次のような点に配慮すべきである。
1 本の選び方
読み聞かせでは絵本が多く利用される。どのような絵本を選ぶか心を配る必要がある。
最初に、聞き手の年齢に合わせて選書をするということが基本である。
そのため、読み聞かせの実施の際には、ある程度発達段階に分けて実施することが望ましい。
次に、本の大きさと絵の種類に留意する必要がある。
複数の子どもが参加する場合、会場の後ろからでも絵が見て取れる本を用いることが望ましい。
事前に本を離れたところから見て、見え方を確認しておく必要がある。
最後に、絵と文が一致しているか、バランスはよいかということに気を配る必要がある。
絵と文が一致していなかったり、バランスが悪く一場面の絵に対して文章の分量が多いと、子どもは語り手の言葉と違う絵を長々と見せられることになり、イメージを膨らますことができなくなる。
2 読み方
語り手は、読み聞かせを行う本をあらかじめよく下読みしておくことが大切である。
話全体の構成や流れを把握しておくことで、タイミングよくページをめくることができる。
読み方は、リズム、間、テンポに気を付けながら読むことが重要である。
下読みの段階で実際に声に出して読む練習をすることで、これらの技術をブラッシュアップできるだろう。
十分に練習を積んでおけば、当日は子どもの反応を見ながら余裕をもって読むことができる。
また、大げさな感情移入はせず、自然体で心を込めて丁寧に読むことを心がける必要がある。
そのほか、本がぐらぐらしないよう安定した持ち方をし、読む前に全員がしっかりと絵が見えているか確認して始めることが重要である。
読み終えたら、子どもたちからの質問や呼びかけに十分に応えてあげることで満足度が高まり、「読み聞かせは楽しい」「また参加したい」という気持ちを醸成することができるだろう。
設問例2(読み聞かせに向く絵本)
読み聞かせに向く絵本を1冊紹介し、その本を使った読み聞かせの手順を具体的に説明せよ。
対象者、目的、役割、効果、課題についても合わせて述べよ。
解答例2
読み聞かせとは、声に出して本を子どもに読んであげる活動である。
ここでは、読み聞かせに向く絵本として「おいもころころ』(いもとようこ文・絵、金の星社、2018)を紹介する。
この本は、昔話を題材として書かれた大変愉快なお話である。
和尚さんに「なんでもわしのするとおりにやるんじゃ」と言われ、素直にありとあらゆることを真似してしまう小僧さんたちの姿に思わず笑みがこぼれてしまう。
文は「ころころころ」「ドテーンドテーンドテーン」など、リズミカルな言葉の繰り返しが心地よく、耳に入りやすい。
絵も登場人物の表情が活き活きと描かれ親しみやすく、少し離れた場所からも視認性が高い作品である。
この本の読み聞かせを行う際の対象年齢は、幼児から小学校低学年までとしたい。
目的は、読み聞かせを通して本の面白さを知り、読書をする素地を形成することである。
また、「次にどのようなしぐさを小僧さんたちは真似するのか」という想像力の刺激もねらいである。
さらに、この本を一緒に楽しむ子ども同士の連帯感を生む効果も期待できる。
以下、読み聞かせの手順を述べる。
1 練習
まず準備として、語り手は本をあらかじめよく下読みしておくことが大切である。
話全体の構成や流れを把握しておくことで、タイミングよくページをめくることができる。
十分に練習を積んでおけば、当日は子どもの反応を見ながら余裕をもって読むことができる。
2 読み聞かせする本の特徴を事前周知
『おいもころころ』が滑稽で笑える本であることを事前に知らせておくことで、子どもたちの期待感を高めることができる。
3 本番
本番は、リズム、間、テンポに気を付けながら読むことが重要である。
特にこの本は笑い話であるため、子どもたちから最も大きな笑いが引き出せるよう、最適な間をうまく取りつつ読み進めることが重要である。
各場面での声の強弱もポイントとなる。下読みの段階で実際に声に出して読む練習をしておくことで、当日ブラッシュアップされた技術を披露できるだろう。
4 終了後の配慮
読み終えたら、子どもたちからの呼びかけに十分に応えてあげることで満足度が高まり、「読み聞かせは楽しい」「また参加したい」という気持ちを醸成することができるだろう。
課題として、この本に影響された子どもたちが、いたずらで特定の子の真似をし続けて困らせてしまうことが考えられる。
それを防ぐために、おわりに一言「和尚さんのように相手が真似されて困っていたら、その人の真似をするのはやめようね」と添えるとよいだろう。
ポイント
読み聞かせに関する2つの設題の解答例です。当然ながら、内容が重複している部分があります。
読み聞かせのやり方、手順はテキストと参考書を元にまとめました。
絵本は図書館で何冊か見比べながら、良さそうな本を選びました。
「簡単に見つかるだろう」と高をくくっていたのですが、細部まで丁寧に描かれた絵の本が多く、逆に細かい描写が少なく遠くからでも見やすい絵本を探すのは思ったより難しかったです。
絵本の選び方一つとっても、司書の仕事は利用者があまり意識していないところまで気配りがなされていることに気付かされました。
実際に司書の方による読み聞かせを見学できれば、その経験を反映させたより良い解答例が書けるかもしれませんね。

読み聞かせする本は自分自身が楽しいと思える本を選ぶのがよさそうだね!

『おいもころころ』、ベタですがシンプルに笑えます😊
コメント