ブックトークとは、特定のテーマに関する一連の本を主な登場人物、著者、あらすじなども含めて、順序良く紹介する活動です。
読み聞かせやストーリーテリング同様、本と聞き手を結びつけるサービスの1つであり、図書館員による豊富な知識に基づいた本の紹介を通して、読書の楽しさを知ってもらうことを目的としています。
ブックトークにより子どもたちの本を読みたいという気持ちを喚起することで、紹介した本の内容だけでなく、著者や関連分野の図書にも関心を持たせることができます。
また、図書館という場所にも興味を抱かせることができ、調べ学習など将来にわたる図書館利用につながるという効果も期待できます。
ブックトークの手順は次のとおりです。
1 テーマを決める。
あらゆることがテーマになり得ます。
例えば、季節や年中行事、最近の出来事、ある特定の作家や時代、子どもに身近な学校や家庭での生活に関することなどが考えられます。
大きな視野で、子どもの関心を引くようなテーマを設定します。
2 テーマに沿った本を選ぶ。
子どもを対象としたブックトークは30分間くらいが適当であり、1回のブックトークで紹介する本は5冊から7冊程度が適当です。
同じテーマを扱ったものでも、小説、伝記、エッセイ、詩、写真集、知識の本など異なる種類の本をそろえるようにします。
内容もやさしいものから難しいものまで幅広く用意することが望ましいです。
また、人気があって紹介しないでも自然と手に取られるような本よりも、日頃あまり借りられないがぜひ読んでほしいというものを優先して取り上げるのがよいでしょう。
3 展開を考える。
選んだ本をどのようなに紹介すればメッセージが伝わりやすいかを考えます。
紹介者が個々の本の特徴や個性を正確につかみ、それぞれにあった紹介方法を工夫することが重要です。
本によって、あらすじを語ったり、本の書かれた経緯を話したり、面白いエピソードをはさんだり、絵や写真を拡大して見せたりすることが考えられます。
また、合間に小道具を使ったり、クイズやゲームを入れたりすることも場を盛り上げるために効果的です。
それぞれの本の紹介方法と合わせて、どの順番で紹介すると流れがいいか、どのような言葉で本と本をつないでいくかといった全体的な流れを考え、時間配分を考慮したシナリオを作成することも重要です。
4 ブックリストを準備する。
ブックリストを準備し、すべての本の紹介後に手渡しします。最後に配布するのは、ブックトーク中に聞き手の注意が手元に注がれるのを防ぐためです。
子どもが自分で本を見つけられるよう、ブックリストには所在記号を記載することが望ましいでしょう。
図書館利用案内も同時に配ることで、今後の図書館の積極的な利用にもつながると考えます。
まとめ
僕は「ブックトーク」について児童サービス論の学習で初めて知りました。子どもの頃に体験した記憶もないです…。
司書になった際は、『キラキラ応援ブックトーク 子どもに本をすすめる33のシナリオ』(キラキラ読書クラブ著、岩崎書店、2009)のような参考書でシナリオの具体例をみてイメトレしたいと思います。
可能であればご自身や親戚のお子さんに声をかけて、ミニブックトークを開催してみても面白そうですね!
同じテーマで異なる種類の本の紹介か。司書の腕の見せ所だね。
紹介はもちろん、場を盛り上げる小道具の準備やエピソードトークまで!
司書ってエンターテイナーだね!
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